鞆の浦とわたしたち
広島県福山市に位置する鞆の浦は、瀬戸内海に面した人口6000人ほどの港町です。
鞆まちづくり工房・鞆まちづくり会社は2社の連携を通して、次世代に受け継いでいくべき「鞆の浦の町並み」を活かした、まちづくり活動を行っています。
鞆まちづくり工房は“空き家紹介を行う「空き家バンク」”、“町並み活動の教育実践機会の場「鞆学校」”を地方創生黎明期から、企画・実践してきました。
「空き家バンク」は鞆の浦への移住・定住・起業に興味のある人たちとのマッチングの場として、数々の古民家再生に寄与してきました。
「鞆学校」は、鞆の浦を調査研究してきた大学生との共同活動の場として、鞆の浦を舞台に学生と市民が一丸となって“楽しみながら学ぶ機会”をつくってきました。
現在、カフェ・イベントスペースとして再生された「茶屋蔵」も、かつては荒廃した蔵の一つでしたが、「鞆学校」での学生とのワークショップを通じて、利活用方法を模索した結果です。その「鞆学校」に参加していた学生のひとりが設立したのが、鞆まちづくり会社です。
私たちは、先人達が育んできた歴史的環境の素晴らしさを引き継ぎ、町並みや港湾施設、伝統的な産業など日本の歴史遺産を活用したまちづくりを地域住民、県民や行政に対して提案、実践し、鞆の浦の魅力を探っていこうという趣旨のもと、これからも活動を行っていきます。
古民家をまちづくりに活かす
鞆の浦は、古くは室町時代からの建築物が今なお大切に使われています。
これらは、鞆の浦の象徴する貴重な風景資産として維持管理されてきましたが、人口減少と高齢社会の進行によって利活用が難しくなってきています。
私たちは、貴重な鞆の古民家を後世に残し伝えていくべき重要な資産として、永続的に活かし続ける活動に取り組んでいます。
古民家再生の先にあるもの
そわか楼・鞆猫庵の宿泊施設運営に加えて、2022年半ばをめどに新たにワークプレイス運営事業に進出します。
築100年を超える住宅建築である「吉本家」を再生し、鞆の浦で暮らし・働き・交流する場をつくりたいと考えています。
鞆まちづくり工房が運営する「御舟宿いろは」は、宮崎監督が描いたイメージそのままに復元作業を進めており、こちらも2022年3月にリニューアル予定です。
2017年に文化庁の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された鞆の浦。その古民家群からなる町並みの美しさが認識され、
様式美を活かしながら永続的なまちづくりに向けた機運が高まってきたと実感しています。
鞆の浦の古民家再生、それは多様な立場の事業者や市民が、町に対する想いを体現する場として取り組まれている市民活動であると考えています。
私たちも、その一翼を担う立場として、切磋琢磨しながら古民家再生に取り組んでいきます。
鞆を残す、伝える取り組み
鞆の浦の魅力は、古民家や港湾施設など目に見えるものだけではありません。
沼名前神社の神事であるお手火神事やお弓神事、鞆のお祭りである長歳など、さまざまな伝統的行事が鞆の浦には今なお残っています。
私たちは、このような無形文化財の持つ魅力を後世に伝える取り組みも始めています。
動画として記録に残しながら、鞆の魅力を少しづつ発信していく、そんなことができたらと考えています。
広島県福山市鞆町鞆
東京、大阪、広島駅から山陽新幹線でJR福山駅へ。
広島空港からリムジンバス・タクシーで約60分でJR福山駅へ。
JR福山駅からはトモテツバスで約40分。
シーズン期の土日には、尾道から鞆の浦へ船が運行されています。